資料 「 文書送付嘱託も手続き 」「 #記録提示申立書 」 #記録顕出申立て
小貫芳信最高裁判事 岡部喜代子最高裁判事 相手の訴訟資料の取り寄せ
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進行中の裁判と関連する別の裁判の記録を見たいという場合、
ア その裁判記録が、別の裁判所にあるときは文書送付嘱託(ぶんしょそうふしょくたく)の手続によって、事件記録を取り寄せることができます。
イ その裁判記録が、同じ裁判所にあるときは記録提示(きろくていじ)申立によって、事件記録を取り寄せることができます。
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立証趣旨は、その証拠書類で何を立証できるかということである。
判決を書くとき、裁判官は証拠説明書で立証趣旨を見ながら書くことが多いそうです。
そこで、立証趣旨の書き方が重要になります。
《裁判所を通じた証拠収集》
裁判所を通じて証拠を集める方法として、送付嘱託、調査嘱託、文書提出命令などの方法があります。
これらが効果的な場合がありますが、裁判官によってなかなか採用してくれないことがあり、申し立てるときは狙いを定めて行う必要があります。
裁判での立証は、基本的には手持ち証拠によるべきですが、証拠の種類と事件の内容によっては裁判所を通じた証拠収集がポイントになることもあります。
進行中の裁判と関連する別の裁判の記録を見たいという場合、その裁判記録が別の裁判所にあるときは文書送付嘱託(ぶんしょそうふしょくたく)の手続によって、同じ裁判所にあるときは記録提示(きろくていじ)申立によって、事件記録を取り寄せることができます。
「記録提示申立」というのは、法律の規定はありませんが、慣例として同じ裁判所の場合はそういう名称で行われています。
(昔は、もう少しおどろおどろしく「記録顕出(きろくけんしゅつ)」申立と呼ばれていました)。
相手方や第三者が持っている文書について、裁判所が要請すれば任意に出してくれそうな場合は、文書送付嘱託の申立を利用できます。
官庁や各種の団体に対して一定の事項の調査を求める「調査嘱託(ちょうさしょくたく)」という手続もあり、調査事項を書くときに書類を特定して写しの交付も求めると書類自体の写しをつけて回答してくれることが多いので、書類取り寄せの手段ともなります。
文書送付嘱託と調査嘱託は実質的には同じようなものですが、文書送付嘱託の場合は文書を特定しないとできない、調査嘱託は「団体」に対してしかできないという制約がありますので、そこを考えてどちらを使うか考えることになります。
書類の所持者が任意には提出しそうにない場合、特に相手方が書類を持っている場合で送付嘱託では提出しないような場合には、文書提出命令という手続があります。
現在の法律の規定では、「もっぱら所持者の利用に供するための文書」、職務上の秘密等に関する文書以外は提出義務があります。
「もっぱら所持者の利用に供するための文書」は、内部の非公式な文書ということになりますが、銀行の稟議書について激しく争われ、最高裁は銀行の稟議書は原則としてこれにあたり提出義務はないと判断しています。
提出命令に反して提出しない場合は、裁判所はその文書の内容について命令を申し立てた側の主張通りに認定できる(裁判所がその気になればということで、裁判所が拘束されるわけではありません)というしくみで、理論的にはかなり強力なものです。
しかし、どの手続も、担当裁判官が事件の審理のために必要だと認めないと採用してくれません。
文書提出命令も、対象文書に当たるかどうかの議論よりも、所持しているという証明がないとか必要性がないとかいう理由で不採用になることが多いです。
必要性についての判断は、裁判官によってかなりばらつきがあります。
裁判所を通じた証拠収集は、対象文書の内容が事前に予想できないことが多く、取り寄せた場合には相手方も利用できますので内容が不利なものであった場合ダメージがあり、また裁判官が採用してくれない可能性も相当あります。
ですから、最初から裁判所を通じた証拠収集に頼ることはかなりリスクが大きいということを頭に置いた方がいいでしょう。
以上
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○ 5訂版 法律事務職員ハンドブック
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