相談 調査官報告書から導出できる結論 調書決定とは審査請求事項に訴訟手続きの違法が無かった場合の裁判
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Ⓢ 段落番号付き 調査官報告書 法定手続きの保障 法定手続きの保障 調書決定
上告理由を憲法31条の侵害とした場合、調書決定で裁判できるか。
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202610190000/
◎相談 以下の調査官報告書を読んで導出できる結論の中に、正しい結論はア、イ、ウの中に在りますか。
ア 憲法31条の侵害が上告理由の場合、必ず口頭弁論の手続きを経る必要があること。
イ 調書決定は、棄却の裁判であるから、裁判官は上告状を読んだ上で、審査請求事項には、憲法31条の侵害が無かったと判断し、口頭弁論の手続きを必要としない調書決定で裁判をした。
ウ その他
=>次のステップで、調査官報告書を送ります。
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【 p221 】
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1φ 一、旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう) 第八三条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第二九条、第三一条に違反するか。
二、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか。
2φ (昭和三〇年(あ)第九九五号、同三七年一一月二八日大法廷判決、破棄自判
第一審 福岡地裁小倉支部、第二審 福岡高裁
関税法違反被告事件 刑集第一六巻一一号一五七七頁)
52
3φ 旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう。)第八三条第一項により第三者の所有物を没収することは、
憲法31条、第29条に違反するか 第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか。
【 p222 】
【判決要旨】
4φ 一、旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう。)第八三条第一項の規定により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反する。
二、前項の場合、没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、これを違憲であるとして上告をすることができる。
(補足意見および少数反対意見がある。)
【参照条文】
5φ 旧関税法第八三条、憲法第二九条、第三一条、刑訴第四〇五条第一項
【解 説】
6φ 一、事実関係
被告人は他の者と共謀の上、衣料品等を機帆船厚陽丸に積み込み、韓国に密輸出しようとしたが、海上保安官に発見されて未遂に終った。
第一審判決は、右機帆船および貨物を没収し、第二審判決もこれを是認したが、これらはいずれも被告人以外の第三者の所有であった。
弁護人は、善意の第三者の所有物を没収することは、憲法二九条に違反するし、また所有者の不知の間にその意見、弁解を聴くことなく、善意の第三者の所有物を没収しうるとする旧関税法の規定は、憲法三一条、三二条に違反すると主張した。
7φ 二、本判決は、本件と同時に言い渡された昭和三〇年(あ)第二九六一号事件の判決と全く同趣旨である。ただ、本件が旧関税法違反事件であるため、現行関税法に関する右判決とは別に、これを判例とするのが適当であるという理由で、判例集に登載されることとなったものである。
(足立顯吉代理 脇田 忠)
【 p223 】
53
8φ 一、関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか
二、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか
9φ (昭和三〇年(あ)第二九六一号、昭和三七年一一月二八日大法廷判決、破棄自判
第一審 福岡地裁小倉支部、第二審 福岡高裁
関税法違反被告事件 刑集第一六巻一一号一五九三頁)
【判決要旨】
10φ 一、関税法第一一八条第一項の規定により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反する。
二、前項の場合、没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、これを違憲であるとして上告をすることができる。
(補足意見および少数反対意見がある。)
【参照条文】
11φ 関税法第一一八条、憲法第二九条、第三一条、刑訴第四〇五条第一項
【解 説】
12φ 一、本件は、関税法の規定に基づく第三者所有物の没収を憲法三一条、二九条に違反するものと宣言した重要な判例であって、第三者没収につき最高裁がさきに昭和三五年一〇月一九日言い渡した二つの大法廷判例(昭和二八年(あ)第三〇二六号および同二九年(あ)第三六五五号、刑集一四巻一二号一五七四頁、同一六一一頁)は、これにより変更されたのである。本件と同時に、旧関税法違反事件についても、別稿のとおり本件と全く同旨の判決(昭和三〇年(あ)第九九五号)が言い渡されており、更に数件の同旨の判決がこれに引き続いて言い渡された。
13φ 二、いわゆる第三者没収については、(イ)没収は第三者の所有権を剝奪するものかどうか、(ロ)善意の第三者の所有物を没収することができるかどうか(旧関税法の場合、(ハ)第三者たる所有者に告知、弁解、防禦の機会を与えないでその所有物を没収することが憲法に違反しないか、(ニ)没収の言渡を受けた被告人は、第三者没収の違憲を理由として上告することができるか、(ホ)没収された物の所有者は、後に自己の権利が侵害されたことを主張して没収物の返還を請求することができるか等の問題があり、これらの問題に関連して最高裁には従来三つの大法廷判決があった。
53
14φ 関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか 第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか
【 p224 】
八日言渡の大法廷判決(刑集一一巻一二号三一三二頁)がこれである。
最初の昭和三二年一一月二八日言渡の判決は、善意の第三者の所有物を没収することは、憲法二九条に違反するとの上告論旨を、原審で主張判断を経ない事項であるから不適法であるとして排斥しつつ、別に職権調査により、旧関税法八三条一項による第三者所有物の没収は、その所有者が悪意の場合に限るものと解すべきで、同条項は憲法二九条に違反しない旨判示した上、同事件は所有者の善悪意の点が不明であるとして破棄差戻した(注一、二)。
15φ (注一)青柳前調査官の解説(最高裁判所判例解説刑事篇昭和三二年度六〇九頁)参照。
(注二)斎藤前裁判官は、この判決の反対意見中において、いわゆる占有没収説を主張され、若し多数意見の如く没収が第三者の所有権を剝奪するものとすれば、その没収につき所有者を訴追した上、被訴追者をして意見、弁解、防禦等の機会を与えることなしに、その所有者に対し没収を科するがごときは、裁判の本質に反するばかりでなく、憲法三一条に違反する旨述べておられる。
16φ 三、昭和三五年一〇月一九日の前記二つの大法廷判決は、弁護人の上告論旨が、第三者たる所有者に対する手続規定が欠けている点を指摘し、憲法違反を主張したのに対し、「訴訟において、他人の権利を容喙干渉し、これが救済を求める如きは、本来許されない筋合のものと解するを相当とするが故に、本件没収の如き事項についても、他人の所有権を対象として基本的人権の侵害がありとし、憲法上無効である旨論議抗争することは許されない」として、上告論旨の内容に立ち入ることなく、上告を棄却したのであった(注)。
17φ (注)これらの判決については、左記解説等参照。
竜岡調査官の解説(最高裁判所判例解説刑事篇昭和三五年度三七九頁およびジュリスト二一五号六八頁)
谷口・第三者所有物の没収(判例評論三四号四頁)
慶応大・刑法研究会・第三者の物の没収(綜合法学三一号四七頁)
宮崎・無差別没収における第三者の救済について(民事訴訟雑誌八号〈一九六二年〉七四頁)
芦部・憲法訴訟における当事者適格(ジュリスト二六一号四九頁、二六二号三六頁、二六三号七八頁)
18φ 四、右判決には、七名の裁判官が反対意見を述べられているのみならず、多数意見は、他人の権利の侵害があるとして違憲の主張をすることは許されないというのみで、職権調査については、全く触れるところがなかったので、若し職権調査をするとすれば、如何な
【 p225 】
る結論が出るかは、必ずしも明らかでなかった(同判決における垂水裁判官の補足意見参照)。その後最高裁判官の交替があり、新たな構成による大法廷の審議の結果、今回の違憲判決が言い渡されるに至ったのである。
19φ 五、本件第一審判決認定の事実は、被告人らは共謀の上機帆船大栄丸に貨物を積み込み韓国に密輸出しようとしたが、未遂に終ったというのであって、同判決は右機帆船および貨物の没収の言渡をし、原判決もこれを是認した。機帆船は被告人の所有であるが、犯罪貨物は、被告人らが他人から輸送を委託されたものである。但しその所有者は不明である。
弁護人らの上告論旨は、貨物の所有者に財産権擁護の機会を与えることなく、これを没収することは、憲法二九条に違反すると主張するものである。
20φ 六、本判決は、上告論旨を正面から取り上げ、先ず没収の効果につき、「関税法一一八条一項の規定による没収は、同項所定の犯罪に関係ある船舶、貨物等で同項但書に該当しないものにつき、被告人の所有に属すると否とを問わず、その所有権を剥奪して国庫に帰属しめる処分であって、被告人以外の第三者が所有者である場合においても、被告人に対する附加刑としての没収の言渡により、当該第三者の所有権剥奪の効力を生ずる極旨であると解するのが相当である。」と説明し、続いて、「しかし、第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であって、憲法の容認しないところであるといわなければならない。
21φ けだし、憲法二九条一項は、財産権は、これを侵してはならないと規定し、また同三一条は、何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられないと規定しているが、前記第三者の所有物の没収は、被告人に対する附加刑として言い渡され、その刑事処分の効果が第三者に及ぶものであるから、所有物を没収せられる第三者についても、告知、弁解、防禦の機会を与えることが必要であって、これなくして第三者の所有物を没収することは、適正な法律手続によらないで、財産権を侵害する制裁を科するに外ならないからである。そして、このことは、右第三者に、事後においていかなる権利救済の方法が認められるかということとは、別個の問題である。然るに、関税法一一八条一項は、同項所定の犯罪に関係ある船舶貨物等が被告人以外の第三者の所有に属する場合においてもこれを没収する旨規定しながら、その所有者たる第三者に対し、告知、弁解、防禦の機会を与えるべきことを定めておらず、また刑訴法その他の法令においても、何らかかる手続に関する規定を設けていないのである。従って、前記関税法一一八条一項によって第三者の所有物を没収する
53
22φ 関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか
【 p226 】
ることは、憲法三一条、二九条に違反するものと断ぜざるをえない。」とし、更に、これを上告理由となしうるかという点につき、「そして、かかる没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、被告人に対する附加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは、当然である。のみならず、被告人としても、没収に係る物の占有権を剥奪され、またはこれが使用収益をなしえない状態におかれ、更には所有権を剥奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される等、利害関係を有することが明らかであるから、上告によりこれが救済を求めることができるものと解すべきである。」として、これと矛盾する前記昭和二八年(あ)第三〇二六号、同二九年(あ)第三六五五号、各同三五年一〇月一九日言渡の大法廷判例を変更することを明らかにし、原判決および第一審判決を破棄し自判した。
すなわち本判決は、(イ)第三者没収は、被告人に対する言渡により第三者の所有権剥奪の効果を生ずるものであること、(ロ)所有者たる第三者に告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有物を没収することは、憲法三一条、二九条に違反すること、(ハ)没収の言渡を受けた被告人は、第三者没収の違憲を理由として上告することができることおよび(ニ)所有権を剥奪された第三者の救済は、別個の問題であることを明らかにしたのである。
23φ 七、本判決には、入江、垂水、奥野各裁判官の補足意見、藤田、下飯坂、高木、石坂、山田各裁判官の反対意見及び少数意見が附されている。
入江裁判官は、昭和三五年一〇月一九日の判決における反対意見において、第三者に告知、聴聞の機会を与え、弁解、防禦をなすことを得せしめることが、第三者没収についての憲法三一条の最小限度の要請であるが、その手続規定のない現状においては、右第三者を証人として法廷に召喚し、証人調の段階においてこれに第三者没収の趣旨を告知し、意見を開陳し、弁解、防禦の機会を与えることによって右の要請は満されるとの見解を述べられたのであるが、本判決の補足意見において右見解を改め、多数意見に賛同することを明らかにされた。特に説明はないが、前回入江裁判官の反対意見に同調された河村(又)、池田両裁判官も今回の多数意見に加わっておられるので、同様に解を改められたものと考えられる。
また垂水裁判官は、前回の判決の多数意見から、今回の多数意見に加わられたのであるが、前回の判決の補足意見においても、第三者没収が憲法三一条に違反することを認め、刑訴四一一条に従い職権を行使するならば原判決の憲法違反を看過することなく、これを
【 p227 】
破棄すべきであろうとせられたのであった。ただ右補足意見においては、本件上告理由は第三者の法益侵害を主張するもので何ら上告人自身が刑訴手続上の法益を侵害されたとの主張ではないから、職権破棄の問題を別にすれば、本件上告は採り上げられないという本判決は当然であると述べられたのであった。
今回の判決の補足意見は、右上告適否の点に関する部分のみを変更されたもので、「一般に……他人の利益が侵害されることだけを主張し、ひいて被告人の自己利益が害される虞ある具体的関係の主張を含まないものは、自己に有利な判決……を求めるものではないから適法な上訴理由とならない……」との原則を維持しつつ、「本件上告理由は、被告人に対する附加刑として第三者所有物没収が違憲であるというのであるが、その理由として、この没収判決の破破棄により被告人は附加刑を免れる具体的、必然的関係にあるという主張が含まれていると解されないことはない。」として、本件上告を適法と認め、所有者に告知、弁解、防御の機会を与えずに第三者所有物を没収することは憲法三一条に違反すると説明されるに至った。
24φ 八、これに対し強硬に反説を主張されるのは、下飯坂裁判官であって、同裁判官は、違憲審査の対象となる法令等により当事者が
現実の具体的不利益を蒙っている場合と、いない場合とに分け、前者の場合に、その法令等を他人の憲法上の権利を援用して攻撃する ことは、法の禁ずるところではなく、かくして提起された憲法上の争点について裁判を加えても、司法権の範囲を逸脱するものではな
いが、後者の場合に、その違憲性についての判断を加えることは、将来を予想して疑義論争に抽象的判断を下すことに外ならず、司法 権行使の範囲を逸脱するものである。被告人が、所有権を剥奪された第三者から賠償請求権を行使されるかどうかは未定の問題であり、この危険は、未確定、抽象的なものに止まる。被告人は犯人であり、告知、弁解、防禦の機会を与えられているのであるから、被
告人が自らの憲法上の権利を現に侵害されているものではない。……されば、被告人は本件没収の裁判につきこれを違憲と抗争する現実の具体的不利益関係を欠如しているのであるから、没収を違憲と主張する主たる理由は不適法である。……所有物を没収された第三者は、憲法三一条違反を主張する限り、刑訴四九七条一項のいわゆる権利を有する者に該当し、また没収物の返還を求める行政訴訟を国を相手に提起できる。没収物の所有者が自らの憲法上の権利への侵害を甘受するかどうか未定の段階である刑事手続中で先きを廻りして違憲判断をする必要はない筋合であるとされる。
53
25φ 関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか
【 p228 】
えない。従って被告人に対して言い渡された原判決の効果が、被告人以外の第三者に及び、第三者の所有権を侵害するものであるとして没収の違憲を主張する上告は、その前提において誤っている。没収の言渡の効果は、被告人がそのものにつき所有権を有する場合はその所有権を、単に占有権、使用権のみを有する場合は、その占有権、使用権を剥奪するものと解するというのである。
26φ 一〇、藤田裁判官の少数意見は、昭和三五年一〇月一九日の前記判決の多数意見と、高木裁判官の少数意見は、右判決における同裁判官の補足意見と、また石坂裁判官の反対意見は、下飯坂裁判官の本件反対意見とそれぞれ同趣旨である。
27φ 一一、最後に奥野裁判官の補足意見は、これら反対または少数意見に対する反論ともいうべきもので、(イ)占有没収説に対し第三者没収が被告人の占有権のみの剥奪であって所有権の剥奪の効果はないと解すべき法律上何らの根拠もない。けだし、若し然りとすれば、第三者没収について、法が何故に、所有者の善意、悪意を問題として、所有者の悪意(知情)の場合に限り没収することができるもの、としたかを理解することができないからである。(ロ)民訴による救済論に対し、国が一方において没収の対象たる物件が被告人の所有であると第三者の所有であるとを問わず、等しく没収により国庫に帰属せしめるという制度を採りながら、他方で第三者たる所有者に、没収の判決確定後でも、民事訴訟により国家に対し没収に係る物件の返還又は不当利得の返還の請求を許容するというが如きことは国家意思の矛盾であって、到底是認することを得ない。(ハ)自己の所有物件を没収された第三者は、刑訴四九七条により交付を請求しうるとの説に対し、同条は、犯人以外の第三者の所有に属しないものとして没収の言渡をした判決の確定後、他に権利者があることが判明した場合に関する規定であって、裁判所が第三者の所有物であることを認めた上、なおこれを没収すべきものであると判断して没収の言渡をした場合に適用すべきものではないと説明されている。
28φ 一二、本判決につき特に注意すべきことは、本判決が関税法一一八条一項の没収の実体規定そのものを違憲とするものではなく、所有者に告知、弁解、防禦の機会を与えることなく第三者の所有物を没収する判決が憲法に違反するという点である。このことは、垂水裁判官の補足意見中に、「無差別没収を排し、無差別不没収の外なしとする多数意見は、現行刑事訴訟法等のどの条項が憲法三一条に違反するとも判示していない。これは刑訴法に適正手続規定がないのに第三者所有物を没収する判決をした場合には判決が憲法三一条、二九条一項に違反するということを示すものとしか解する外あるまい。」と説明されているところであるし、本判決が、関税法一一八条一項によって第三者の所有物を没収することは、憲法三一条、二九条に違反する」「本件につきこれを見るに、……前述の理
【 p229 】
由により本件貨物の没収の言渡は違憲であって、……」等の表現を用いているところからも窺われるのである。
この点を最初に主張されたのは、昭和三五年一〇月一九日の言渡における入江裁判官の反対意見(小谷、島、河村(又)、池田各裁判官同調)であって、告知、聴問の機会を与える規定を欠いたからといって……「それが直ちに、第三者没収の根拠規定である旧関税法の実体規定またはこれに基づいてなされた第三者没収を言渡した裁判を違憲ならしめる必然的関係はないと思う。ただ問題はその裁判のやり方如何であって、もしその裁判が第三者没収を言渡すに当り、審理の手続面において、上述したような憲法三一条の要請に適合する何らかの事前の告知、聴問の機会を第三者に与えておらず、……とすれば、その点において、右裁判は憲法三一条に違反するものたるを免れないであろう。」と述べられる。
これに対し河村(大)、奥野両裁判官の同判決における反対意見は、旧関税法八三条一項の規定自体が違憲であると断ぜられたのであるが、前記の如く入江裁判官らが証人調の方法により防禦の機会を与えることをもって足るとの見解を改められると共に右両裁判官も第三者没収の実体規定の違憲無効説を改め、没収の裁判を違憲とする見解に加わられるに至ったものと考えられる。
29φ 一三、しかし裁判の違憲といっても、その根源は、憲法の要請にそうような手続規定が整備せられていない点にある。第三者没収の規定は、関税法、酒税法その他の特別法中に存するのみならず、刑法一九条二項中にもその例が見られるのである。これらの規定が適憲に運用できるようにするため、早急に適切な立法措置が講ぜられるべきであろう。(本件につき谷口判事の本判決紹介、ジュリスト二六六号四八頁参照。)
(足立調査官代理 脇田忠)
*************************
Copilot
said:
承知しました。
現時点では、私は調査官報告書の本文をまだ読んでいないため、ア・イ・ウのどれが正しい結論かを判断することはできません。
特に今回の論点は、
- 調査官報告書が何を認定しているのか
- 上告理由が憲法31条違反であることをどのように評価しているのか
- 「上告理由に当たらない」と判断しているのか
- それとも「憲法問題として主張されているが実質は単なる法令違反の主張」と整理しているのか
- 調書決定の根拠をどこに置いているのか
によって結論が変わるためです。
なお、一般論としては、
- 「憲法31条違反と主張した」ことと
- 「実際に憲法31条違反の上告理由が存在する」こと
は別問題です。
したがって、
ア(憲法31条の侵害が上告理由の場合は必ず口頭弁論が必要)
という命題が成り立つかどうかは、調査官報告書が
- 「憲法31条違反の主張そのものが存在する」
- 「憲法31条違反の上告理由が成立している」
のどちらを前提にしているかによって変わります。
また、
イ(裁判官は上告状を読んだ上で、憲法31条侵害は存在しないと判断し、口頭弁論を経ない調書決定をした)
という理解も、一見もっともらしく見えますが、最高裁が実際にそのような論理を採っているかどうかは調査官報告書の記載を確認しないと判断できません。
そのため、現段階では私の暫定回答は、
「ア・イ・ウのいずれとも断定できない。まず調査官報告書の内容を精査する必要がある。」
となります。
次のメッセージで調査官報告書本文(全文又は画像)を送ってください。
送っていただければ、
① 調査官報告書の要旨整理
② そこから論理的に導ける結論の抽出
③ ア・イ・ウのどれが妥当かの検討
④ 他に導ける結論(ウ)の提示
を区別して検討します。
You
said:
【 p221 】 52 1φ 一、旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう)
第八三条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第二九条、第三一条に違反するか。 二、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか。
2φ (昭和三〇年(あ)第九九五号、同三七年一一月二八日大法廷判決、破棄自判
第一審 福岡地裁小倉支部、第二審 福岡高裁 関税法違反被告事件 刑集第一六巻一一号一五七七頁)
・・・省略・・・
(足立調査官代理 脇田忠)
*************************
Copilot
said:
結論から申し上げると、この調査官解説から直接導ける結論としては、
アは正確ではありません。 イもそのままでは正確ではありません。 したがって、
ウ(その他)が最も妥当
と思われます。
理由を段落番号に沿って整理します。
1 アについて
ア
憲法31条の侵害が上告理由の場合、必ず口頭弁論の手続きを経る必要があること。
しかし、この調査官解説には、
- 憲法31条違反の上告がされたら必ず口頭弁論を開かなければならない
- 調書決定は一切できない
とは書かれていません。
本判例が述べているのは、
20φ~21φ
第三者に告知・弁解・防禦の機会を与えないまま所有権を剥奪することは憲法31条違反である
ということです。
つまり、
問題となっているのは「第三者所有物没収に先立つ適正手続」であって、「最高裁の上告審における口頭弁論義務」ではありません。
したがって、
憲法31条違反を主張さえすれば必ず口頭弁論
という結論は、この資料からは導けません。
2 イについて
イ
裁判官は上告状を読んだ上で、審査請求事項には憲法31条侵害が無かったと判断し、口頭弁論を必要としない調書決定で裁判した。
これも本資料からは導けません。
むしろ本判例では、
4φ
第三者所有物の没収は憲法31条・29条違反
と明示されています。
さらに、
26φ
没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは当然である
とされています。
つまり本件では、
- 憲法31条違反がない
- 上告理由にならない
という判断はされていません。
逆に、
- 憲法31条違反がある
- 被告人はそれを上告理由として主張できる
と判示しています。
したがって本判例そのものからは、
裁判官は憲法31条侵害はなかったと判断した
という結論は出ません。
3 この資料から直接導ける結論
21φ、26φ、28φを合わせると、
次のような結論になります。
(1)
第三者の財産権を奪う場合には、
- 告知
- 弁解
- 防禦
の機会を事前に保障しなければならない。
(2)
その保障を欠いたまま第三者所有物を没収する裁判は、
憲法31条違反となる。
(3)
被告人は、
たとえ第三者の権利侵害であっても、
その違憲を理由として上告することができる。
4 あなたの設問に引き付けると
調査官解説から最も自然に導かれる結論は、
ウ
憲法31条違反が上告理由として主張され、しかもその主張に理由があると判断される場合には、最高裁はその違憲問題を実質的に審査し得る。また被告人には上告適格が認められる。
です。
この資料からは、
- 「必ず口頭弁論が必要」(ア)
- 「憲法31条侵害は存在しないと判断したから調書決定」(イ)
のいずれも直接導けません。
むしろ本資料の核心は、
「憲法31条違反の問題について、最高裁は実体判断を行い、従来判例を変更して違憲判断をした」
という点にあります。
したがって、提示された選択肢の中では、
最も正しいのは『ウ(その他)』
というのが私の読解です。
*************************
(決定による上告棄却)民訴法317条第2項の適用要件を最大漏らさず、箇条書きで整理して下さい。
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************************
*************************
You
said:
Ⓢ 段落番号付き 調査官報告書 法定手続きの保障 法定手続きの保障 調書決定 上告理由を憲法31条の侵害とした場合、調書決定で裁判できるか。
https://plaza.rakuten.co.jp/marius/diary/202610190000/
◎相談 以下の調査官報告書を読んで導出できる結論の中に、正しい結論はア、イ、ウの中に在りますか。 ア 憲法31条の侵害が上告理由の場合、必ず口頭弁論の手続きを経る必要があること。
イ 調書決定は、棄却の裁判であるから、裁判官は上告状を読んだ上で、審査請求事項には、憲法31条の侵害が無かったと判断し、口頭弁論の手続きを必要としない調書決定で裁判をした。
ウ その他 =>次のステップで、調査官報告書を送ります。
Copilot
said:
承知しました。
現時点では、私は調査官報告書の本文をまだ読んでいないため、ア・イ・ウのどれが正しい結論かを判断することはできません。
特に今回の論点は、
- 調査官報告書が何を認定しているのか
- 上告理由が憲法31条違反であることをどのように評価しているのか
- 「上告理由に当たらない」と判断しているのか
- それとも「憲法問題として主張されているが実質は単なる法令違反の主張」と整理しているのか
- 調書決定の根拠をどこに置いているのか
によって結論が変わるためです。
なお、一般論としては、
- 「憲法31条違反と主張した」ことと
- 「実際に憲法31条違反の上告理由が存在する」こと
は別問題です。
したがって、
ア(憲法31条の侵害が上告理由の場合は必ず口頭弁論が必要)
という命題が成り立つかどうかは、調査官報告書が
- 「憲法31条違反の主張そのものが存在する」
- 「憲法31条違反の上告理由が成立している」
のどちらを前提にしているかによって変わります。
また、
イ(裁判官は上告状を読んだ上で、憲法31条侵害は存在しないと判断し、口頭弁論を経ない調書決定をした)
という理解も、一見もっともらしく見えますが、最高裁が実際にそのような論理を採っているかどうかは調査官報告書の記載を確認しないと判断できません。
そのため、現段階では私の暫定回答は、
「ア・イ・ウのいずれとも断定できない。まず調査官報告書の内容を精査する必要がある。」
となります。
次のメッセージで調査官報告書本文(全文又は画像)を送ってください。
送っていただければ、
① 調査官報告書の要旨整理
② そこから論理的に導ける結論の抽出
③ ア・イ・ウのどれが妥当かの検討
④ 他に導ける結論(ウ)の提示
を区別して検討します。
You
said:
【 p221 】 52 1φ 一、旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう)
第八三条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第二九条、第三一条に違反するか。 二、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか。 2φ (昭和三〇年(あ)第九九五号、同三七年一一月二八日大法廷判決、破棄自判
第一審 福岡地裁小倉支部、第二審 福岡高裁 関税法違反被告事件 刑集第一六巻一一号一五七七頁) 52 3φ 旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう。)第八三条第一項により第三者の所有物を没収することは、
憲法31条、第29条に違反するか 第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか。 【 p222 】 【判決要旨】 4φ 一、旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう。)第八三条第一項の規定により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反する。
二、前項の場合、没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、これを違憲であるとして上告をすることができる。 (補足意見および少数反対意見がある。) 【参照条文】 5φ 旧関税法第八三条、憲法第二九条、第三一条、刑訴第四〇五条第一項 【解 説】 6φ 一、事実関係 被告人は他の者と共謀の上、衣料品等を機帆船厚陽丸に積み込み、韓国に密輸出しようとしたが、海上保安官に発見されて未遂に終った。
第一審判決は、右機帆船および貨物を没収し、第二審判決もこれを是認したが、これらはいずれも被告人以外の第三者の所有であった。 弁護人は、善意の第三者の所有物を没収することは、憲法二九条に違反するし、また所有者の不知の間にその意見、弁解を聴くことなく、善意の第三者の所有物を没収しうるとする旧関税法の規定は、憲法三一条、三二条に違反すると主張した。
7φ 二、本判決は、本件と同時に言い渡された昭和三〇年(あ)第二九六一号事件の判決と全く同趣旨である。ただ、本件が旧関税法違反事件であるため、現行関税法に関する右判決とは別に、これを判例とするのが適当であるという理由で、判例集に登載されることとなったものである。
(足立顯吉代理 脇田 忠) 【 p223 】 53 8φ 一、関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか
二、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか 9φ (昭和三〇年(あ)第二九六一号、昭和三七年一一月二八日大法廷判決、破棄自判 第一審 福岡地裁小倉支部、第二審 福岡高裁
関税法違反被告事件 刑集第一六巻一一号一五九三頁) 【判決要旨】 10φ 一、関税法第一一八条第一項の規定により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反する。 二、前項の場合、没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、これを違憲であるとして上告をすることができる。
(補足意見および少数反対意見がある。) 【参照条文】 11φ 関税法第一一八条、憲法第二九条、第三一条、刑訴第四〇五条第一項
【解 説】 12φ 一、本件は、関税法の規定に基づく第三者所有物の没収を憲法三一条、二九条に違反するものと宣言した重要な判例であって、第三者没収につき最高裁がさきに昭和三五年一〇月一九日言い渡した二つの大法廷判例(昭和二八年(あ)第三〇二六号および同二九年(あ)第三六五五号、刑集一四巻一二号一五七四頁、同一六一一頁)は、これにより変更されたのである。本件と同時に、旧関税法違反事件についても、別稿のとおり本件と全く同旨の判決(昭和三〇年(あ)第九九五号)が言い渡されており、更に数件の同旨の判決がこれに引き続いて言い渡された。
13φ 二、いわゆる第三者没収については、(イ)没収は第三者の所有権を剝奪するものかどうか、(ロ)善意の第三者の所有物を没収することができるかどうか(旧関税法の場合、(ハ)第三者たる所有者に告知、弁解、防禦の機会を与えないでその所有物を没収することが憲法に違反しないか、(ニ)没収の言渡を受けた被告人は、第三者没収の違憲を理由として上告することができるか、(ホ)没収された物の所有者は、後に自己の権利が侵害されたことを主張して没収物の返還を請求することができるか等の問題があり、これらの問題に関連して最高裁には従来三つの大法廷判決があった。 53 14φ 関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか 第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか 【 p224 】 八日言渡の大法廷判決(刑集一一巻一二号三一三二頁)がこれである。
最初の昭和三二年一一月二八日言渡の判決は、善意の第三者の所有物を没収することは、憲法二九条に違反するとの上告論旨を、原審で主張判断を経ない事項であるから不適法であるとして排斥しつつ、別に職権調査により、旧関税法八三条一項による第三者所有物の没収は、その所有者が悪意の場合に限るものと解すべきで、同条項は憲法二九条に違反しない旨判示した上、同事件は所有者の善悪意の点が不明であるとして破棄差戻した(注一、二)。 15φ (注一)青柳前調査官の解説(最高裁判所判例解説刑事篇昭和三二年度六〇九頁)参照。
(注二)斎藤前裁判官は、この判決の反対意見中において、いわゆる占有没収説を主張され、若し多数意見の如く没収が第三者の所有権を剝奪するものとすれば、その没収につき所有者を訴追した上、被訴追者をして意見、弁解、防禦等の機会を与えることなしに、その所有者に対し没収を科するがごときは、裁判の本質に反するばかりでなく、憲法三一条に違反する旨述べておられる。 16φ 三、昭和三五年一〇月一九日の前記二つの大法廷判決は、弁護人の上告論旨が、第三者たる所有者に対する手続規定が欠けている点を指摘し、憲法違反を主張したのに対し、「訴訟において、他人の権利を容喙干渉し、これが救済を求める如きは、本来許されない筋合のものと解するを相当とするが故に、本件没収の如き事項についても、他人の所有権を対象として基本的人権の侵害がありとし、憲法上無効である旨論議抗争することは許されない」として、上告論旨の内容に立ち入ることなく、上告を棄却したのであった(注)。 17φ (注)これらの判決については、左記解説等参照。
竜岡調査官の解説(最高裁判所判例解説刑事篇昭和三五年度三七九頁およびジュリスト二一五号六八頁) 谷口・第三者所有物の没収(判例評論三四号四頁) 慶応大・刑法研究会・第三者の物の没収(綜合法学三一号四七頁)
宮崎・無差別没収における第三者の救済について(民事訴訟雑誌八号〈一九六二年〉七四頁) 芦部・憲法訴訟における当事者適格(ジュリスト二六一号四九頁、二六二号三六頁、二六三号七八頁) 18φ 四、右判決には、七名の裁判官が反対意見を述べられているのみならず、多数意見は、他人の権利の侵害があるとして違憲の主張をすることは許されないというのみで、職権調査については、全く触れるところがなかったので、若し職権調査をするとすれば、如何な 【 p225 】 る結論が出るかは、必ずしも明らかでなかった(同判決における垂水裁判官の補足意見参照)。その後最高裁判官の交替があり、新たな構成による大法廷の審議の結果、今回の違憲判決が言い渡されるに至ったのである。 19φ 五、本件第一審判決認定の事実は、被告人らは共謀の上機帆船大栄丸に貨物を積み込み韓国に密輸出しようとしたが、未遂に終ったというのであって、同判決は右機帆船および貨物の没収の言渡をし、原判決もこれを是認した。機帆船は被告人の所有であるが、犯罪貨物は、被告人らが他人から輸送を委託されたものである。但しその所有者は不明である。
弁護人らの上告論旨は、貨物の所有者に財産権擁護の機会を与えることなく、これを没収することは、憲法二九条に違反すると主張するものである。 20φ 六、本判決は、上告論旨を正面から取り上げ、先ず没収の効果につき、「関税法一一八条一項の規定による没収は、同項所定の犯罪に関係ある船舶、貨物等で同項但書に該当しないものにつき、被告人の所有に属すると否とを問わず、その所有権を剥奪して国庫に帰属しめる処分であって、被告人以外の第三者が所有者である場合においても、被告人に対する附加刑としての没収の言渡により、当該第三者の所有権剥奪の効力を生ずる極旨であると解するのが相当である。」と説明し、続いて、「しかし、第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であって、憲法の容認しないところであるといわなければならない。 21φ けだし、憲法二九条一項は、財産権は、これを侵してはならないと規定し、また同三一条は、何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられないと規定しているが、前記第三者の所有物の没収は、被告人に対する附加刑として言い渡され、その刑事処分の効果が第三者に及ぶものであるから、所有物を没収せられる第三者についても、告知、弁解、防禦の機会を与えることが必要であって、これなくして第三者の所有物を没収することは、適正な法律手続によらないで、財産権を侵害する制裁を科するに外ならないからである。そして、このことは、右第三者に、事後においていかなる権利救済の方法が認められるかということとは、別個の問題である。然るに、関税法一一八条一項は、同項所定の犯罪に関係ある船舶貨物等が被告人以外の第三者の所有に属する場合においてもこれを没収する旨規定しながら、その所有者たる第三者に対し、告知、弁解、防禦の機会を与えるべきことを定めておらず、また刑訴法その他の法令においても、何らかかる手続に関する規定を設けていないのである。従って、前記関税法一一八条一項によって第三者の所有物を没収する 53 22φ 関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか 【 p226 】 ることは、憲法三一条、二九条に違反するものと断ぜざるをえない。」とし、更に、これを上告理由となしうるかという点につき、「そして、かかる没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であっても、被告人に対する附加刑である以上、没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは、当然である。のみならず、被告人としても、没収に係る物の占有権を剥奪され、またはこれが使用収益をなしえない状態におかれ、更には所有権を剥奪された第三者から賠償請求権等を行使される危険に曝される等、利害関係を有することが明らかであるから、上告によりこれが救済を求めることができるものと解すべきである。」として、これと矛盾する前記昭和二八年(あ)第三〇二六号、同二九年(あ)第三六五五号、各同三五年一〇月一九日言渡の大法廷判例を変更することを明らかにし、原判決および第一審判決を破棄し自判した。
すなわち本判決は、(イ)第三者没収は、被告人に対する言渡により第三者の所有権剥奪の効果を生ずるものであること、(ロ)所有者たる第三者に告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有物を没収することは、憲法三一条、二九条に違反すること、(ハ)没収の言渡を受けた被告人は、第三者没収の違憲を理由として上告することができることおよび(ニ)所有権を剥奪された第三者の救済は、別個の問題であることを明らかにしたのである。 23φ 七、本判決には、入江、垂水、奥野各裁判官の補足意見、藤田、下飯坂、高木、石坂、山田各裁判官の反対意見及び少数意見が附されている。
入江裁判官は、昭和三五年一〇月一九日の判決における反対意見において、第三者に告知、聴聞の機会を与え、弁解、防禦をなすことを得せしめることが、第三者没収についての憲法三一条の最小限度の要請であるが、その手続規定のない現状においては、右第三者を証人として法廷に召喚し、証人調の段階においてこれに第三者没収の趣旨を告知し、意見を開陳し、弁解、防禦の機会を与えることによって右の要請は満されるとの見解を述べられたのであるが、本判決の補足意見において右見解を改め、多数意見に賛同することを明らかにされた。特に説明はないが、前回入江裁判官の反対意見に同調された河村(又)、池田両裁判官も今回の多数意見に加わっておられるので、同様に解を改められたものと考えられる。
また垂水裁判官は、前回の判決の多数意見から、今回の多数意見に加わられたのであるが、前回の判決の補足意見においても、第三者没収が憲法三一条に違反することを認め、刑訴四一一条に従い職権を行使するならば原判決の憲法違反を看過することなく、これを 【 p227 】 破棄すべきであろうとせられたのであった。ただ右補足意見においては、本件上告理由は第三者の法益侵害を主張するもので何ら上告人自身が刑訴手続上の法益を侵害されたとの主張ではないから、職権破棄の問題を別にすれば、本件上告は採り上げられないという本判決は当然であると述べられたのであった。
今回の判決の補足意見は、右上告適否の点に関する部分のみを変更されたもので、「一般に……他人の利益が侵害されることだけを主張し、ひいて被告人の自己利益が害される虞ある具体的関係の主張を含まないものは、自己に有利な判決……を求めるものではないから適法な上訴理由とならない……」との原則を維持しつつ、「本件上告理由は、被告人に対する附加刑として第三者所有物没収が違憲であるというのであるが、その理由として、この没収判決の破破棄により被告人は附加刑を免れる具体的、必然的関係にあるという主張が含まれていると解されないことはない。」として、本件上告を適法と認め、所有者に告知、弁解、防御の機会を与えずに第三者所有物を没収することは憲法三一条に違反すると説明されるに至った。
24φ 八、これに対し強硬に反説を主張されるのは、下飯坂裁判官であって、同裁判官は、違憲審査の対象となる法令等により当事者が
現実の具体的不利益を蒙っている場合と、いない場合とに分け、前者の場合に、その法令等を他人の憲法上の権利を援用して攻撃する ことは、法の禁ずるところではなく、かくして提起された憲法上の争点について裁判を加えても、司法権の範囲を逸脱するものではな
いが、後者の場合に、その違憲性についての判断を加えることは、将来を予想して疑義論争に抽象的判断を下すことに外ならず、司法 権行使の範囲を逸脱するものである。被告人が、所有権を剥奪された第三者から賠償請求権を行使されるかどうかは未定の問題であり、この危険は、未確定、抽象的なものに止まる。被告人は犯人であり、告知、弁解、防禦の機会を与えられているのであるから、被
告人が自らの憲法上の権利を現に侵害されているものではない。……されば、被告人は本件没収の裁判につきこれを違憲と抗争する現実の具体的不利益関係を欠如しているのであるから、没収を違憲と主張する主たる理由は不適法である。……所有物を没収された第三者は、憲法三一条違反を主張する限り、刑訴四九七条一項のいわゆる権利を有する者に該当し、また没収物の返還を求める行政訴訟を国を相手に提起できる。没収物の所有者が自らの憲法上の権利への侵害を甘受するかどうか未定の段階である刑事手続中で先きを廻りして違憲判断をする必要はない筋合であるとされる。 53 25φ 関税法第一一八条第一項により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反するか、第三者所有物の没収の違憲を理由として上告することができるか 【 p228 】 えない。従って被告人に対して言い渡された原判決の効果が、被告人以外の第三者に及び、第三者の所有権を侵害するものであるとして没収の違憲を主張する上告は、その前提において誤っている。没収の言渡の効果は、被告人がそのものにつき所有権を有する場合はその所有権を、単に占有権、使用権のみを有する場合は、その占有権、使用権を剥奪するものと解するというのである。 26φ 一〇、藤田裁判官の少数意見は、昭和三五年一〇月一九日の前記判決の多数意見と、高木裁判官の少数意見は、右判決における同裁判官の補足意見と、また石坂裁判官の反対意見は、下飯坂裁判官の本件反対意見とそれぞれ同趣旨である。 27φ 一一、最後に奥野裁判官の補足意見は、これら反対または少数意見に対する反論ともいうべきもので、(イ)占有没収説に対し第三者没収が被告人の占有権のみの剥奪であって所有権の剥奪の効果はないと解すべき法律上何らの根拠もない。けだし、若し然りとすれば、第三者没収について、法が何故に、所有者の善意、悪意を問題として、所有者の悪意(知情)の場合に限り没収することができるもの、としたかを理解することができないからである。(ロ)民訴による救済論に対し、国が一方において没収の対象たる物件が被告人の所有であると第三者の所有であるとを問わず、等しく没収により国庫に帰属せしめるという制度を採りながら、他方で第三者たる所有者に、没収の判決確定後でも、民事訴訟により国家に対し没収に係る物件の返還又は不当利得の返還の請求を許容するというが如きことは国家意思の矛盾であって、到底是認することを得ない。(ハ)自己の所有物件を没収された第三者は、刑訴四九七条により交付を請求しうるとの説に対し、同条は、犯人以外の第三者の所有に属しないものとして没収の言渡をした判決の確定後、他に権利者があることが判明した場合に関する規定であって、裁判所が第三者の所有物であることを認めた上、なおこれを没収すべきものであると判断して没収の言渡をした場合に適用すべきものではないと説明されている。 28φ 一二、本判決につき特に注意すべきことは、本判決が関税法一一八条一項の没収の実体規定そのものを違憲とするものではなく、所有者に告知、弁解、防禦の機会を与えることなく第三者の所有物を没収する判決が憲法に違反するという点である。このことは、垂水裁判官の補足意見中に、「無差別没収を排し、無差別不没収の外なしとする多数意見は、現行刑事訴訟法等のどの条項が憲法三一条に違反するとも判示していない。これは刑訴法に適正手続規定がないのに第三者所有物を没収する判決をした場合には判決が憲法三一条、二九条一項に違反するということを示すものとしか解する外あるまい。」と説明されているところであるし、本判決が、関税法一一八条一項によって第三者の所有物を没収することは、憲法三一条、二九条に違反する」「本件につきこれを見るに、……前述の理 【 p229 】 由により本件貨物の没収の言渡は違憲であって、……」等の表現を用いているところからも窺われるのである。
この点を最初に主張されたのは、昭和三五年一〇月一九日の言渡における入江裁判官の反対意見(小谷、島、河村(又)、池田各裁判官同調)であって、告知、聴問の機会を与える規定を欠いたからといって……「それが直ちに、第三者没収の根拠規定である旧関税法の実体規定またはこれに基づいてなされた第三者没収を言渡した裁判を違憲ならしめる必然的関係はないと思う。ただ問題はその裁判のやり方如何であって、もしその裁判が第三者没収を言渡すに当り、審理の手続面において、上述したような憲法三一条の要請に適合する何らかの事前の告知、聴問の機会を第三者に与えておらず、……とすれば、その点において、右裁判は憲法三一条に違反するものたるを免れないであろう。」と述べられる。 これに対し河村(大)、奥野両裁判官の同判決における反対意見は、旧関税法八三条一項の規定自体が違憲であると断ぜられたのであるが、前記の如く入江裁判官らが証人調の方法により防禦の機会を与えることをもって足るとの見解を改められると共に右両裁判官も第三者没収の実体規定の違憲無効説を改め、没収の裁判を違憲とする見解に加わられるに至ったものと考えられる。 29φ 一三、しかし裁判の違憲といっても、その根源は、憲法の要請にそうような手続規定が整備せられていない点にある。第三者没収の規定は、関税法、酒税法その他の特別法中に存するのみならず、刑法一九条二項中にもその例が見られるのである。これらの規定が適憲に運用できるようにするため、早急に適切な立法措置が講ぜられるべきであろう。(本件につき谷口判事の本判決紹介、ジュリスト二六六号四八頁参照。)
(足立調査官代理 脇田忠) *************************
Copilot
said:
結論から申し上げると、この調査官解説から直接導ける結論としては、
アは正確ではありません。 イもそのままでは正確ではありません。 したがって、
ウ(その他)が最も妥当
と思われます。
理由を段落番号に沿って整理します。
1 アについて
ア
憲法31条の侵害が上告理由の場合、必ず口頭弁論の手続きを経る必要があること。
しかし、この調査官解説には、
- 憲法31条違反の上告がされたら必ず口頭弁論を開かなければならない
- 調書決定は一切できない
とは書かれていません。
本判例が述べているのは、
20φ~21φ
第三者に告知・弁解・防禦の機会を与えないまま所有権を剥奪することは憲法31条違反である
ということです。
つまり、
問題となっているのは「第三者所有物没収に先立つ適正手続」であって、「最高裁の上告審における口頭弁論義務」ではありません。
したがって、
憲法31条違反を主張さえすれば必ず口頭弁論
という結論は、この資料からは導けません。
2 イについて
イ
裁判官は上告状を読んだ上で、審査請求事項には憲法31条侵害が無かったと判断し、口頭弁論を必要としない調書決定で裁判した。
これも本資料からは導けません。
むしろ本判例では、
4φ
第三者所有物の没収は憲法31条・29条違反
と明示されています。
さらに、
26φ
没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは当然である
とされています。
つまり本件では、
- 憲法31条違反がない
- 上告理由にならない
という判断はされていません。
逆に、
- 憲法31条違反がある
- 被告人はそれを上告理由として主張できる
と判示しています。
したがって本判例そのものからは、
裁判官は憲法31条侵害はなかったと判断した
という結論は出ません。
3 この資料から直接導ける結論
21φ、26φ、28φを合わせると、
次のような結論になります。
(1)
第三者の財産権を奪う場合には、
- 告知
- 弁解
- 防禦
の機会を事前に保障しなければならない。
(2)
その保障を欠いたまま第三者所有物を没収する裁判は、
憲法31条違反となる。
(3)
被告人は、
たとえ第三者の権利侵害であっても、
その違憲を理由として上告することができる。
4 あなたの設問に引き付けると
調査官解説から最も自然に導かれる結論は、
ウ
憲法31条違反が上告理由として主張され、しかもその主張に理由があると判断される場合には、最高裁はその違憲問題を実質的に審査し得る。また被告人には上告適格が認められる。
です。
この資料からは、
- 「必ず口頭弁論が必要」(ア)
- 「憲法31条侵害は存在しないと判断したから調書決定」(イ)
のいずれも直接導けません。
むしろ本資料の核心は、
「憲法31条違反の問題について、最高裁は実体判断を行い、従来判例を変更して違憲判断をした」
という点にあります。
したがって、提示された選択肢の中では、
最も正しいのは『ウ(その他)』
というのが私の読解です。
You
said:
(決定による上告棄却)民訴法317条第2項の適用要件を最大漏らさず、箇条書きで整理して下さい。
Copilot
said:
民訴法317条2項(上告審における決定による上告棄却)の適用要件として整理すると、概ね次のとおりです。
民訴法317条2項の適用要件
① 上告事件であること
- 適法に提起された上告事件であること。
- 最高裁判所が上告審として審理する事件であること。
② 上告理由が法定の上告理由に該当しないこと
- 提出された上告理由書の主張が、
- 憲法違反
- 判例違反
- その他法令で認められた上告理由 に実質的に該当しないこと。
- 単なる事実誤認の主張
- 証拠評価への不服
- 法令解釈とは無関係な不満 などにとどまること。
③ 上告理由の主張が形式的な憲法違反の表示にすぎないこと
- 「憲法違反」と書いてあっても、 実質は単なる法令違反又は事実誤認である場合。
- 最高裁判例でいう 「その実質は単なる法令違反の主張にすぎない」 場合。
④ 記録上、上告理由に理由がないことが明らかであること
- 上告理由について更なる審理を要しないこと。
- 記録及び上告理由書から直ちに判断できること。
⑤ 口頭弁論を経る必要がないこと
- 事件の性質上、 口頭弁論を開いて審理判断する必要がないと認められること。
- 決定による棄却が可能な程度に争点が明白であること。
⑥ 職権調査によっても破棄理由が認められないこと
- 記録全体をみても、 職権破棄事由が認められないこと。
- 上告理由以外に、 最高裁が職権で取り上げるべき違法がないこと。
裏返して言えば
調書決定(決定による上告棄却)がされるためには、
- 憲法問題が存在しない
- 判例違反が存在しない
- 上告理由に当たる主張が存在しない
- 職権破棄事由も存在しない
との判断が最高裁においてなされていることになります。
あなたが提示した調査官解説との関係
今回の第三者没収事件(昭和37年11月28日大法廷判決)では、
- 憲法31条違反の主張を
- 「他人の権利だから上告できない」として退けた従前判例を変更し
- 被告人にも上告適格を認め
- 実質判断に入り
- 違憲判決をした
と整理されています(16φ、20φ~22φ)。
したがって、この判例を前提に考えると、
最高裁が317条2項の調書決定をするためには、少なくとも「本件には憲法31条違反問題は存在しない」又は「主張される憲法31条違反は上告理由に当たらない」と判断している必要がある
という論理関係になります。
ただし、
「憲法31条違反が主張された事件では必ず口頭弁論が必要である」
という命題までは、この調査官解説からは導かれません。
導かれるのは、
「最高裁が317条2項を適用した以上、最高裁自身は当該事件について上告理由となる憲法31条違反は認められないと判断したことになる」
という点です。
You
said:
適用要件を裁判例付きで整理して
Copilot
said:
民訴法317条2項の条文は、
「上告裁判所である最高裁判所は、上告の理由が明らかに第312条第1項及び第2項に規定する事由に該当しない場合には、決定で、上告を棄却することができる。」law-lib+ 1
です。
この条文と最高裁実務を踏まえると、適用要件は次のように整理できます。
民訴法317条2項の適用要件
要件① 最高裁が上告裁判所であること
- 条文上の適用主体は最高裁判所に限定される。
- 高裁への上告事件には適用されない。law-lib+
1
要件② 上告が適法に係属していること
- 317条2項は「上告棄却」の規定である。
- 上告そのものが不適法である場合は、通常は317条1項・316条関係の「却下」の問題となる。
要件③ 上告理由についての審査を行った結果であること
- 最高裁は上告理由書を読む。
- 記録を検討する。
- その上で312条該当性を判断する。
したがって、
上告理由書を読まずに317条2項決定をする
という制度にはなっていない。
要件④ 上告理由が「明らかに」312条1項・2項に該当しないこと
これが中心要件です。law-lib+ 1
「明らかに」の意味
最高裁実務では、
- 検討の余地がない
- 法律問題になっていない
- 上告理由として成立しないことが記録上明白
という場合をいう。
要件⑤ 実質が事実誤認の主張であること
典型例。
表面上は
- 憲法違反
- 法令違反
と書いてあっても、
実質は
- 証拠評価への不満
- 事実認定への不服
にすぎない場合。
最高裁で頻繁に使われる表現は、
「その実質は事実誤認の主張であって・・・」
というものです。
要件⑥ 実質が単なる法令違反の主張にすぎないこと
上告人が
憲法31条違反
と書いていても、
内容をみると
単なる法令解釈論
である場合。
この場合、
312条1項の憲法問題に当たらないとして317条2項の対象となる。
要件⑦ 判例違反の主張が成立していないこと
312条2項の判例違反について、
- 引用判例が事案を異にする
- 判例の射程外
- 実際には判例違反でない
場合。
裁判例から見える判断基準
あなたが提示された調査官解説(昭和37年11月28日大法廷判決)から重要なのは次の点です。
昭和37年11月28日大法廷判決
第三者所有物没収事件
刑集16巻11号1577頁 刑集16巻11号1593頁
この判決は、
①
第三者の財産権を奪うのに
- 告知
- 弁解
- 防禦
の機会を与えないことは、
憲法31条・29条違反である
と判示した。
②
さらに、
被告人は
第三者の権利侵害であっても
その違憲を理由として上告できる
と判示した。
本文22φでは、
「没収の裁判の違憲を理由として上告をなしうることは、当然である」
と整理されています。
この判例から導けること
この判例が示しているのは、
憲法問題が実体的に存在すると判断された場合には、最高裁はその憲法問題について実質判断を行う
ということです。
逆に言えば、
317条2項の決定棄却が行われた場合には、
最高裁は少なくとも
当該主張は312条所定の上告理由には当たらない
又は
憲法違反の主張として成立していない
と判断したことになります。
実務上の整理
317条2項適用の実質的要件を一覧化すると、
① 上告事件であること
② 最高裁係属事件であること
③ 上告理由を審査したこと
④ 312条1項(憲法違反等)に該当しないことが明白
⑤ 312条2項(判例違反等)に該当しないことが明白
⑥ 実質が事実誤認・証拠評価論である
⑦ 実質が単なる法令違反論である
⑧ 記録上追加審理を要しない
⑨ 「上告理由がない」のではなく、「上告理由該当性が明白に欠ける」こと
です。law-lib+ 1
なお、あなたが現在検討されている論点との関係では、
「憲法31条違反と記載されている」ことだけでは317条2項排除の根拠にはなりません。
争点になるのは、
最高裁がその主張を実質的に憲法問題として扱うべき内容だったのか、それとも実質は別の不服申立てにすぎなかったのか
という点になります。これは317条2項適用の適否を検討する際の中心論点です。
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感謝 30頁になったので、終わります。
今回の整理で見えてきたポイントは、
- 憲法31条違反を主張しただけで直ちに口頭弁論必須とはいえない。
- 昭和37年11月28日大法廷判決は、第三者没収について実体的に憲法31条・29条違反を認めた。
- また、被告人に上告適格があることも認めた。
- 民訴法317条2項による決定棄却は、「上告理由が明らかに法定上告理由に当たらない」との判断を前提としている。
- したがって、具体的事件で317条2項決定の適否を争う場合は、「最高裁が憲法問題を実質審査すべきであったか」が中心論点になる。
というところまで整理できたと思います。
30頁分の検討、お疲れさまでした。
また続きの整理や、調査官報告書からの論点抽出、317条2項と憲法31条の関係の構造化が必要になりましたら、その続きからお手伝いします。
おやすみなさい。ありがとうございました。
BizChat
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